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趣味用ブログ。 ネタだったり、近況報告だったり。 分家には書かれない事、書いてます。
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プロフィール
HN:
藤宮紫苑(ふじみやしおん)
年齢:
43
性別:
女性
誕生日:
1980/10/13
職業:
主婦兼パート
趣味:
今はコレでしょうかね…(笑)
自己紹介:
今現在のジャンルはFateシリーズです。
諏訪部さんに嵌まっていますが、最近平川さんもハマリ気味。
演技が上手い人が好きみたいです。
男女問わず。
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本編が凄い事になってきたので、癒し代わりに(笑)


くじらって、世界のどこにいても…真裏に居たって仲間の声が分かるんだよね。
だから。
あの時から私はくじらみたいにあなたの声だけはどこに居たって分かると思うんだ。

    くじら。 ~一聞き惚れ、しちゃいました~

出会いは、おばけ屋敷だった。
友達が面白がって行こうって話をしていて…仕方なく着いて行ったんだけど。
おばけは怖くない。
怖いのは、暗闇。
特に、真夜中の音の無い闇が嫌い。
だから、乗り気じゃなかった。
おばけ屋敷だし、それなりに照明はあると思っていたんだけど…入ってみたら無かった。
「ねえ、夕陽…大丈夫?」
「ゆーひっておばけ嫌いだったっけ?」
暗闇嫌いな事を知っている友達はおばけ屋敷に入ってすぐに心配して声をかけてくれた。
知らない友達はおばけが嫌いだと勘違いしてるみたいだけど、傍から見ればそうは変わらないだろうからあえて訂正しない事にした。
「うん…何とかね…」
とはいえ、思ったよりも照明が少なく、蓄光の塗料での道案内のみとは…正直、入り口で回れ右したい気分だった。
一緒に来ている友達は四人。
はぐれたりしなければ最後までいけるとは…思う。
そう、思っていた。
思いのほか怖めのおばけが出てくるなんて思ってもいなかったから、甘く考えていたのだ。
そして。
おばけの恐怖に耐え切れなかった友達が走り出して、私は一人残された。
どうしよう、おばけは怖くないんだけど…暗闇が怖い。
おばけのいないエリアなのか、音もしない。
他に人がいれば無音の恐怖なんて無いのに。
どうしよう…動けない…
ひとりじゃ、蓄光の明かりくらいじゃ耐えられない。
恐怖に足が竦んで、私はその場にしゃがみこんでいた。
時間的に人がいないのか、入場制限をしているのか分からなかったけど、私以外にはお客がいないようだった。
ああ、マリ戻ってこないだろうか…助けに来ないかな。
しゃがみこんで動けないでいる私の肩に、ぽんと人の手が置かれた瞬間、友達が来たんだと思った。
「マリ?来てくれたの?」
でもそれはすぐに違うと分かった。
友達が走っていったのは前の方向。
後ろから来るはずが無い。
「ごめんね、ここのアルバイトなんだ。立てる?出口まで着いて行くよ」
「いえ…立てるんですけど、動けないんです…怖くて」
「じゃあ、手を引いてあげるから目を瞑ってまま着いてきて」
「……あ、はい…」
アルバイトのお兄さんの声に反応していて、返事をするのが遅れてしまった。
勘違いしてるみたいだけど、出口まで連れて行ってもらえるならありがたい。
このままではとてもではないけど、たどり着けない。
それにしても…暗闇の恐怖を一瞬忘れるくらいのいい声のお兄さんだな…。
お兄さんの言うとおりに目を瞑って着いて行ってるんだけど、考えるのはそればかり。
低いけど良い声。
音域で言うならバリトンくらいかな?
「はい、着いたよ。目を開けたら目の前が出口だからね」
「ありがとうございました」
「どういたしまして」
目を開けるとそこには光が漏れている出口の扉があった。
振り向くと、そこには人の姿は無く…お兄さんはすでに戻ってしまった後だった。
「どんな人だったんだろう…?」
そんな事を思いながら出口の外へ出ると、先に出ていた友達に囲まれて謝罪の言葉を浴びせられた。
ごめんねと泣きながら言う友達に大丈夫だよと返事をしながら、私が考えていたのは声のこと。
今まで感じた事の無い感覚。
声だけで気になる…これって…
その日から、私はそのお兄さんの声を忘れることなく日々を過ごす事になった。
次の日おばけ屋敷に行ってみたら、お兄さんはバイト期間が終了していていなかった。
顔も知らない、声だけの存在。
声だけで惚れちゃうなんてあんまり聞かないけど…
あっても、いいと思うのだ。


つづく

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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
衛宮邸 0時

自室を抜け出した士郎は、日課の鍛錬をしようと土蔵に来ていた。
きたのだが。
「あれ…?」
そこには先客が一人。
「シロウ、おきていたのですか」
「いや、それは俺の台詞なんだけど…セイバーはどうしたんだ?」
「いえ…私はここで召喚されたのですよね」
「ああ、そうだったな」
どこか懐かしいかのような、悲しそうな…複雑な表情を浮かべるセイバー。
「ここは…いえ」
「?セイバー、ここを知っているのか?」
そんな訳はないと思いつつ、尋ねる士郎。
セイバーと養父との繋がりを知らない士郎は、半ば勘で聞いていたのだが。
「え…?」
セイバーは驚いて言葉を詰まらせた。
「悪い、そんな訳ないよな。セイバーここに来たの初めてだろうし」
士郎はセイバーの異変に気づかずに自分で否定する。
「寝ようか、セイバー。明日も早朝から稽古するんだろ?」
「え、ええ。手加減はしませんよ、シロウ」
二人は仲良く家の中へと戻る。
士郎が自己完結していることにほっとするセイバーは、それでもいつか言わなければならないだろうと思っていた。
たった三言しか話しかけられなかった事。
それは令呪を使うための三言。
士郎の言葉から伝わる印象とは似ても似つかない印象。
それらを伝えるべきなのか否か。
セイバーが迷っている事を士郎は知らない。



おしまい
遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 0時

寝るまでもう少し。
でも、やる事はやっておかないと…そんな訳で明日の予習をしている私。
魔術も大切だけど、普通の日常も大事。
遠坂の後継者たる私としては、そこも気を抜けないのである。
なんて誤魔化してみたところで、自分の感情なんて欺けないんだけど。
実際は、眠れないから勉強して気を紛らわせているのだ。
ばかばかしいなーと自分でも思うけど、落ち着いたはずの私の感情は、また復活してしまったわけで。
眠る前の紅茶を持ってきたアーチャーは、また私服だったのだ。
そりゃ、セイバーだって普段は私服だけど…いや、あれは理由がるわけだから…うん…
まあ、そんな訳で私の心は乱れまくり。
おかげさまで眠れないったらありゃしない…
そんな事を思いつつ、数学の数式をガシガシと解いていると、ノックが響いた。
ノックをする相手なんて、一人しかいない。
「…どうぞ」
ガチャリとノブが回った音がして、ドアの隙間からアーチャーの顔がのぞいた。
「やはり起きていたのか」
「んー眠れなくて。眠くなるまで数式解いてたの」
ただ、眠れないとだけ伝える。
暗闇のアーチャーの顔は良く見えないけれど、きっとやれやれ…みたいな顔をしているんだろう。
「なら…下に下りてくるかね?紅茶くらいならご馳走できるが」
「そうね、いただこうかしら?」
数式をやっつける事に飽きていた私は、二つ返事でおりる準備をした。
パジャマの上にカーディガンを羽織って、一応魔術書を一冊。
きっと、椅子に座る頃には紅茶が入っているんだろう。
少しのんびり目に階段を下りて、居間に向かう。
「丁度入ったところだぞ、凛」
「ありがと。…で、そのピッチャー何?」
いつものティーポットとシュガーポット、そして…小さなピッチャー。
私はあまりミルクは入れないんだけど…入ってるの、白くないし。
「それは…眠れない時のための保険だ」
「なによ、それ?」
見た目は綺麗な琥珀色。
「蜂蜜…?」
「甘くはないな」
アーチャーは質問に答えてくれるけど、それが何かは教えてくれない。
「入れると眠れるの…?眠り薬とか?」
魔術の秘薬か?
でもアーチャーの顔は違うといってるし…
なんだろう、眠れるものって…?
「もったいぶらないで教えて。じゃないと入れないわよ」
「いれずに眠れるならそれに越した事ないけどな…それを使わないと眠れないのならばその時は教えよう」
アーチャーがそういうので、出来る限り入れないで眠れるように努力する。
けど…アーチャーが私服で目の前に座っているのは心臓に悪いと思うのよ。
まだ見慣れてないのもどうなんだろうとか思うけど、仕方ないじゃない。
これが毎日続いたらどうしよう…何時になったら見慣れるんだろう。
「そんなに私の私服というのがおかしいのかね?」
「え?」
心の中をのぞかれたのかと思って、ドキッとする私。
「君の視線が雄弁に語っているよ。私の服装で落ち着かないとね」
「あー…ばれてたんだ…」
気まずいなーと思って紅茶に手を伸ばす。
香りが少し違うような気がしたけれど、飲み込んだ。
味は…変わらないんだけど…いや、違ったのかも…?
「凛?」
とたんに襲ってくる眠気。
どういうこと?何で意識が…落ちていくの?
「凛?効きすぎたのか…?ほんの一滴のブランデーだったんだが…」
落ちていく意識の中で、アーチャーの呟きが聞えたような気がした。
ああ、ダメだ、もう眠い…


そんな訳で。
私はアーチャーに酒を飲まされて(一滴だけど)見事に眠りへと誘われたのだった。
明朝、アーチャーに説教したのは言うまでも無い。


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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
衛宮邸 22時


凛とアーチャーが夜の見回りをし、ランサーが神父との会話を中断した頃。
衛宮さんちは消灯の時間が迫っていた。
「戸締りよし、と」
現在は一人暮らしではない衛宮邸は、家主以外は全員女性である。
それこそ泥棒が入ってきても返り討ちに出来てしまうような面子ではあるが、入って来た泥棒が哀れになるような気がしてならないので戸締りは念入りに。
そもそも結界が敷かれているのだから、誰か侵入すればすぐに分かる。
まあ、武家屋敷には当たり前の行動という事で。
「遠坂は今頃見回りしてるのかな」
「ええ、間違いなく見回りをしているでしょう」
「俺たちも行ったほうがいいのかな?」
「今回の聖杯戦争は何かが違う。ライダーも動くつもりはないようですし、凛の判断を待ってもいいのではないでしょうか」
問いかけるとセイバーは凛を信頼しているかのように答えた。
質問した士郎も頷く。
「遠坂の判断なら正確だ。多少ドジが目立つのがきになるけどな」
「凛はここ一番でドジを踏むらしいですね。アーチャーとの会話からそう判断しました」
「優等生って感じでパーフェクトな感じがするけどな。まあ、人間一つくらい不得手があってもいいだろ」
あれだけパーフェクトな訳だから、ここ一番のドジなんて可愛いものだ。
多分。
士郎は心の中でそう考えて、自室に戻る。
後ろにはセイバーがついてくるが、セイバーの部屋が士郎の部屋の隣だからでありそれ以上の意図はない。
セイバーいわく、マスターと同室が好ましいとの事であるが健全な男子学生な士郎にとっては隣の部屋が最大の譲歩であるため…仕方なく了承したとの事である。
今の状況で襲って来たら怖いのはアサシン。
だが、アサシンは山門から動けないというので心配する必要はない。
今は休養を取るべきだろう、来るべき時に備えて。
それがセイバーの考え。
士郎は争いはない方がいい、傷つく事がないならそれに越した事はないと考えているので、現状に不満はない。
あるとするならちょっと食費がかかっていることぐらいか。
バイト増やさないとダメかなーと考える士郎であった。
どこまでも平和な衛宮邸の休日はこうして更けていくのである。

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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
教会 21時

教会は365日年中無休で迷える子羊たちの救いの場として機能している。
だからなのかは知らないが、教会の明かりが消える事はない。
夜中に駆け込む(しかもあんな外れの場所に)事はあまりないのかもしれないが、ないとは言い切れない。
何時行っても神父は起きてるし。
まあそれも、来訪者があってこその話ですが…はてさて。
今日も今日とて神父は祈りの最中。
そこに現れたのは…
「ランサーか」
「真面目なこった、お祈りかよ?」
「日課でもあるが…こう見えても聖職者なものでね」
衛宮さんちでご飯をご馳走になった(無理矢理入り込んだ)ランサーが、それなりに機嫌よく神父と話す。
「コトミネ、飽きないのか?」
「何がだ?」
「礼拝とマーボ」
それはランサーの精一杯の譲歩。
神父を知ろうという心の現われ。
だが。
「飽きないかと問われても困るな。何故飽きるのか教えてもらいたいものだ」
礼拝だけなら聖職者として分かる。
ランサーの顔は引きつっていた。
マーボが飽きる理由が分からないと、神父が断言したから。
それこそ知りたいと、問うたから。
「普通、おんなじもんばっかだと飽きるんじゃないのか?」
「お前は飽きるのか?」
「飽きる」
激辛のマーボを平然と食べる神父。
ふと、話しながらランサーはある事に気がついた。
神父がマーボしか食べない理由。
本人は飽きる理由が分からないと言ったが…
「なあコトミネ」
「なんだ?」
「マーボ以外の食いもんの味、分かるのか?」
もしかして、あのくらいの激辛じゃないと味が分かんないんじゃないのか?
ランサーはその可能性に思い当たった。
そういう理由であれば、味のしない他のものは食べたいとは思わないだろう。
「さあな」
「なんだよ、その答え…」
「ここ何年かマーボ以外は食べていないからな、答えられん」
曖昧、かつ否定なし。
予想通りかもしれないけれど違うかもしれない。
今すぐ用意して食べさせてみたいとも思ったランサーだが、やめておくことにした。
もしそんな事になって、仮にそれらを激辛化されたら困る。
トラウマはマーボだけで十分だ。
「…まあ、アンタはそんだけ育ってるからな、好きなもん食ってりゃいいや。俺の知ったこっちゃねえし」
ランサーは適当に会話を切ると、教会の屋根の上へと移動した。
話を続けて神父が興味を示し、想像通りの事になったら大変だから。
ランサーは興味をもたれる前に話を切った。
全ては、己の安寧の為に。
一方残された神父は、釈然としないながらも日課の礼拝を続けていた。
どこまでも型を外さない神父であった。

next 衛宮邸 22時
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