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趣味用ブログ。 ネタだったり、近況報告だったり。 分家には書かれない事、書いてます。
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プロフィール
HN:
藤宮紫苑(ふじみやしおん)
年齢:
43
性別:
女性
誕生日:
1980/10/13
職業:
主婦兼パート
趣味:
今はコレでしょうかね…(笑)
自己紹介:
今現在のジャンルはFateシリーズです。
諏訪部さんに嵌まっていますが、最近平川さんもハマリ気味。
演技が上手い人が好きみたいです。
男女問わず。
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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
教会 21時

教会は365日年中無休で迷える子羊たちの救いの場として機能している。
だからなのかは知らないが、教会の明かりが消える事はない。
夜中に駆け込む(しかもあんな外れの場所に)事はあまりないのかもしれないが、ないとは言い切れない。
何時行っても神父は起きてるし。
まあそれも、来訪者があってこその話ですが…はてさて。
今日も今日とて神父は祈りの最中。
そこに現れたのは…
「ランサーか」
「真面目なこった、お祈りかよ?」
「日課でもあるが…こう見えても聖職者なものでね」
衛宮さんちでご飯をご馳走になった(無理矢理入り込んだ)ランサーが、それなりに機嫌よく神父と話す。
「コトミネ、飽きないのか?」
「何がだ?」
「礼拝とマーボ」
それはランサーの精一杯の譲歩。
神父を知ろうという心の現われ。
だが。
「飽きないかと問われても困るな。何故飽きるのか教えてもらいたいものだ」
礼拝だけなら聖職者として分かる。
ランサーの顔は引きつっていた。
マーボが飽きる理由が分からないと、神父が断言したから。
それこそ知りたいと、問うたから。
「普通、おんなじもんばっかだと飽きるんじゃないのか?」
「お前は飽きるのか?」
「飽きる」
激辛のマーボを平然と食べる神父。
ふと、話しながらランサーはある事に気がついた。
神父がマーボしか食べない理由。
本人は飽きる理由が分からないと言ったが…
「なあコトミネ」
「なんだ?」
「マーボ以外の食いもんの味、分かるのか?」
もしかして、あのくらいの激辛じゃないと味が分かんないんじゃないのか?
ランサーはその可能性に思い当たった。
そういう理由であれば、味のしない他のものは食べたいとは思わないだろう。
「さあな」
「なんだよ、その答え…」
「ここ何年かマーボ以外は食べていないからな、答えられん」
曖昧、かつ否定なし。
予想通りかもしれないけれど違うかもしれない。
今すぐ用意して食べさせてみたいとも思ったランサーだが、やめておくことにした。
もしそんな事になって、仮にそれらを激辛化されたら困る。
トラウマはマーボだけで十分だ。
「…まあ、アンタはそんだけ育ってるからな、好きなもん食ってりゃいいや。俺の知ったこっちゃねえし」
ランサーは適当に会話を切ると、教会の屋根の上へと移動した。
話を続けて神父が興味を示し、想像通りの事になったら大変だから。
ランサーは興味をもたれる前に話を切った。
全ては、己の安寧の為に。
一方残された神父は、釈然としないながらも日課の礼拝を続けていた。
どこまでも型を外さない神父であった。

next 衛宮邸 22時
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