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趣味用ブログ。 ネタだったり、近況報告だったり。 分家には書かれない事、書いてます。
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プロフィール
HN:
藤宮紫苑(ふじみやしおん)
年齢:
43
性別:
女性
誕生日:
1980/10/13
職業:
主婦兼パート
趣味:
今はコレでしょうかね…(笑)
自己紹介:
今現在のジャンルはFateシリーズです。
諏訪部さんに嵌まっていますが、最近平川さんもハマリ気味。
演技が上手い人が好きみたいです。
男女問わず。
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遠坂さんちの家庭の事情 番外編

朝6時・遠坂邸

今日は休日。
少しくらいゆっくりしたってばちは当たらないと思うけど、アイツはきっといつも通りにやってくるはず。
だというのに。
幸か不幸か6時を回ってもノックがない。
一体、どうしたというのだろうか?
身支度を整えて、私は居間に向かう。
居間にアーチャーの姿は無かった。
お湯が沸いているので止めて、辺りを見回す。
軽い朝食と紅茶の用意はされている。
それならどこに?
もしかしてごみ捨て…はないか。
いつもと違う行動を取られると戸惑う。
これじゃあ、親鳥探す雛じゃないの。
キッチンで一人考えていると、玄関の方から何食わぬ顔でアーチャーは帰ってきた。
「ん?お湯を止めてくれたのか」
何食わぬ顔で帰ってきたアーチャーは、私の異変に気がつくと、からかう気満々の笑みで紅茶の用意を始めた。
「お、おはよ。何でそんな格好してるのよ?」
アーチャーは、いつもの格好ではなく普通のシャツとズボンを身に纏っていた。
まあ、色は黒なんだけど。
「外に出るのならばあのままではまずかろう?気を使ったまでだ」
ということは、外に出ていたという事か。
でもお湯を沸かしている途中だから、遠くではない。
「君がそんな反応を見せてくれるなら、もう少し早く変えてみるべきだったかな」
「なによ、そんな反応ってどんな反応よ?私はいつもと同じ…」
本当は自分だって気づいてる。
物凄く顔が赤い事。
だからそっぽ向いたまま椅子に座ったのだ。
「顔が赤いようだが、いつも赤いのかね?」
あいかわらず、私をからかう事だけは忘れない。
後ろ向いてて紅茶淹れてるのに、私にはどんな表情でいるのかが手に取るように分かった。
こっちが分かるのだから、向こうも分かる。
分かってる。だけどなんか悔しい。
私服に着替えたって制服に着替えたって、向こうは全く反応しないのに。
毎朝、そうやってからかうのもアーチャーなりの気遣いなのかもしれないけど。
子ども扱いされてるみたいで釈然としないというか…
とにかく、回転し始めたばかりの頭には、アーチャーの私服姿というのは衝撃が強すぎたのだ。
せめて着替えるとか宣言してくれれば…
着替え?
「アーチャー、あなたその服どうしたの?」
そんな服、家には無いはずだ。
そもそも父さんの服はアーチャーの身長では入らない。
「これか?サーヴァントは元々霊体だからな、纏っていた服装を意識して換えた」
つまり、編み上げればどんな服装も可能ってことですか。
    



next 衛宮邸6時
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あまりにも自然に言われたから、反応するのが遅くなってしまった。
だって、シャワー浴びてドライヤーで髪を乾かしてバスルームから出てきたら、半年前のように普通に紅茶入れたが飲むかね?なんて聞くんだもの。
それが当たり前みたいに、貰おうかななんて答えて、それからその異常に気づいて。
考えていた事とか全て消し飛んでしまった。
頭の中は真っ白。
ほんと、どうしてくれるんだろう…?


worldendfairytale 3


「なにやら不機嫌なようだが…何かあったのか?」
自分が元凶だなんて気づきもしないで私の向かいで紅茶を飲んでいるアーチャー。
「…あのねえ、ヒトがはるばるロンドンから帰ってきてシャワー浴びて出てきたら、勝手知ったるなんとかでいるはずの無い人が紅茶入れてれば驚くでしょう」
「だが君は私の姿を認識していたはずだろう?橋の上にいたのは確かに君だった」
その言葉に、私は記憶をフル活動させてみる。
コイツが振り向いた姿なんて見ていない。
「もっとも、君が歩いて去る姿しか見ていなかったがね。その様子だと君が私を認識していたのは間違いないようだが」
表情に出ていたようで、アーチャーはからかうような笑みを浮かべていた。
「見たけど、確証なんて無かったわよ。そこまで眼が良くはないもの」
「確かに、私が見えるのは当たり前だが…君でも迷うのか?」
その言葉は、自分の従者を見間違えるのか?と聞かれているようで、答えに困ってしまう。
「そんな事は…ないけど。でも、あなたは消滅した…んでしょう?いないと分かってるのにいたと思うなんて私には」
辛すぎて出来ない。
その言葉は言いかけて飲み込んだ。
だって、まるで告白みたいだから…
「成る程。確かに私はあの時消滅したよ。だが、これはあの時のとは違うようだ。戦争をするという思念が無い」
まるで人事のように。
アーチャーが消滅したなんて言うから、さっきの動揺が戻ってきた。
「あの…ごめんなさい」
言いたいことはさっき吹き飛んでしまったので、出てきた言葉はこれだけ。
我ながら他になかったのかと思っちゃうけど、それ以外は浮かんでこなかったのだ。
「凛…?何の話だ?」
「私、あの時…あなたに…」
消滅する事が分かっていて、死ぬ事が分かっていて、足止めするように言った。
「気にする必要は無いよ、凛。君の判断は正しかった」
「でも…!」
「あの時ああしたからこそ、君は生きている。私は君のサーヴァントだ…主を守るのは当然だろう?」
もう過去の話だと言う様に話すアーチャー。
だけど私は。
「それでも私は…あなたに死ねと言ったのよ」
「君にそう言われれば私は喜んでそうするよ」
「な…なんで?!」
アーチャーの考えが分からなかった。
「君は私のマスターだ。それに…君も気づいているのだろうが、私は…」
アーチャーの言葉を聞いて、アーチャーが士郎だということを思い出した。
つまり。
「あなたも自分が無いってこと?」
「いや?君だけだろうな、今は」
でなければエミヤシロウを嫌悪したりはしないだろう…なんて呑気に答えるアーチャーを見て、私はその考えが取り越し苦労であると気がついた。
でも。
もう一つの言葉に気がついて、また動揺した。
「ちょっと待って、なんで私だけ…なの?」
「君がマスターだからだよ」
「他の人に召喚されても、そうなの?」
どうしてもその言葉に他意はないと思いたかった。
アーチャーが私に対して特別だというような感情を持つなんて…思えなかった。
だから、否定したかった。
「それはどうだろうな。君だからだとは思うが…凛?」
アーチャーが私の顔を見て言葉を切った。
私ははっとして、顔を背ける。
からかわれると思っていた。
なのに、コイツは真面目な顔で真面目に返してきた。
「もう、いいわよ…」
その真面目な答えだけで、私の考えは消えてしまった。
少なくとも、アーチャーにいなくてもいい存在と思われていないことは分かったから。
紅茶を入れてくれて、心配してくれる程度には思っていてくれると分かって、安心できたから。
「そうかね?今日の君はどうかしているようだが。疲れているのか?」
「そうね、疲れてるわ。あなたの顔を早く見たいと思って急いで帰ってきたから」
本当のことを少しだけ。
「にしては、さっきはそのまま帰ったようだが?」
「冗談に決まってるでしょ?こんな面白い事、楽しまなくちゃ損だから急いで帰ってきたのよ」
いつもの私に戻って、この異常な日常を過ごそう。
解決もするけど、それは後で。
今は、あの時出来なかった事をやるのが先だから。
「君らしいな」
いつもの笑みでいつも通りにそこにいる、有り得ない日常を過ごす奇跡。
魔術師としてはアレなんだけど、そんなことは置いといて楽しもう。
今度は後悔しないように。




という事で、切れが悪いような気もしますが、終了です。
これは後日パロディ部屋に移動します。
実際にアーチャー=士郎を凛が知っているのかどうかは知りませんが(士郎に好きと言うらしい事は噂で聞きました)この中ではそういうことで。
ペンダント、士郎の家で発見した凛が、理解してると勝手に想像中。
この話の時点では、凛は士郎が自分に憧れていたなんて知りません。
アーチャーの真面目な言葉の先はきっと、君はエミヤシロウにとって憧れだったから…とか続くのかと。
聞いてたら卒倒ですね、うちの凛。
私は現代の科学で体現出来うる限りの兆速移動術(人はそれを飛行機と呼ぶ)で帰ってきた。
だって、本当にいるのなら確かめないと。
士郎は異常だと言っていたけれど、そんな事は後回しでいい。
私の目的はただ一つ、彼に…会いたい、それだけだから。


worldendfairytale 2


ちょっとスケジュール的に無理をして帰ってきた私は、嫌だけど待つのも面倒なので新都からの道程を歩いていた。
はっきり言って、疲れてるし荷物が重い。
バスで途中まで行きたかったけれど、残念ながらバスは行ったばかりで待つ必要があった。
待つなんてまどろっこしい。
だから疲れてるけど、歩く事にした。
新都と町を繋ぐ橋。
凪ぐ風は初秋を思わせて気持ちいい。
まだ日差しは暑いけど、この国は秋になりかけている。
まだ川とかで遊んでる人、いるんだろうな…なんて川に眼を向けたら。
そこにいたのは服装が違おうと見知った姿。
見知ったほど一緒にいたわけではないけれど、見間違えない自信はある。
士郎の話では港で釣りしてるって聞いたんだけど。
川でも釣り、するんだ。
あまりにも自然なその姿に、私は帰ってきた理由も目的も忘れていた。
ふと思い出して足を動かす。
動かすのは家のほうへ。
間違っても川ではない。
だって、なんだか…
私がいなくたってなんでもないって言われているみたいに思ったから。
だから、あの場から早く立ち去りたかった。
私はいないとダメなくらい落ち込んだのに、アイツはそんな事ないのかと思うと悔しい。
私の存在ってその程度なの?なんて思っちゃう。
ああ、ダメだな私。
思考がどんどんネガティブになっていく。
これは早くうちに帰ってシャワーでも浴びて思考を切り替えないと。
でも。
私が帰っているとアイツに伝えなかったら、アイツは…会わないままでまた消えるのだろうか。
その程度の認識でしかないのだろうか。
焦りが募る。
自分でも分からない感情が、暴走しそう。
どうしよう、もしアーチャーに会ったら。
今度こそ私は彼との別れに耐えられないかもしれない。
そっけない態度で別れたりしたら、一生立ち直れないかもしれない。
どうしよう。
飛行機に乗るまではカチカチに固まっていた決心が、姿を見ただけで崩れてしまった。
私はどうしたらいい?
このまま会わないほうが…いいのかもしれない?
会うのと会わないの、どっちが後悔する?
その気持ちにけりがつくまでは、会えない。
どうしよう。
私の頭はその言葉で埋め尽くされて、まさか橋で見ていたところをアイツに見られていたなんて考えもしなかった。
そして、その後アイツが後を追ってうちまで来ていたことなんて、全く知らなかった。
アイツとの予期せぬ再会は数十分後。
混乱したままの私はシャワーを浴びながらその事にも気づかない。
ほんと、どうしよう。




というわけで、二回目です。
次回が最終回、アーチャーさんとの再会です。
ちなみにホロウやってないので実際の内容は知らなかったり。
よって、オリジナルをなぞっているようで妄想ですよ。
凛ちゃんの心理が乙女チックなのも、妄想です。
まあ、会ってしまえば潔く男らしくきっちり決めてくれると思いますが。
悩むけど、シークタイムは一秒以下。
決断の早い女の底力を書けたら…いいですね(逃)
 
もしもこの世の果てがあったのなら、私はどうしただろうか。
丸い地平に果てなどなく。
探すこともままならない場所だけど。
もし、あるのならば探しに行くのかもしれない。
だって、そこには彼が ―アーチャーが― いるのかもしれないから。


worldendfairytale 1


聖杯戦争終結からひと月は正直、アーチャーのいない喪失感に押し潰れそうだった。
そんなに大きな存在だったなんて、思っていなかったわけじゃないけど、思い知らされた事は確かだ。
あの時垣間見た彼の記憶の中の風景はどこまでも広く殺風景で…紅くて。
悲しみとか苦しみとか、一言では済まされない感情が表れているのだと分かった。
英霊の座はこの世界からではたどり着けない別次元にある。
彼がいる座があの世界だとしたら、それは…絶望以外の何者でもない。
無数の剣が突き刺さる大地は。
まるで、彼のたくさんの可能性の墓碑にも見えてしまったから…
無数の世界に呼ばれる彼の可能性。
私の所に来た彼も、いくつもある可能性の一つ。
彼は士郎を嫌っているのかどうなのかいまいち分からない言動を繰り返して、結局は私達の為に死んだ。
英霊だからって傷を負えば痛いし、死の感覚だってあるはずだ。
その彼に私は死ねと命じた。
一言、謝りたかった。
でも、彼は私の謝罪は要らないと遠まわしに言った。
私のことをよく理解している彼の、いつもの言い回し。
そう言ってくれたから、私はいつもの遠坂凛でいられた。
でも、あの時私が…本心を明かしていたら、彼はどうしたんだろうか。
私がそう言わなかったら…
彼は、進んで自ら引き受けると言ったのだろうか?
その答えが知りたくて、彼に一言言いたくて。
その方法を探しているといったら、彼はどういう反応をするのだろうか。
そうやって悩んでいたのに、その時はあっさりとやって来た。
ちょっと色々あって、時計塔に出向いている間に。
アイツは、まるでなんでもないかのように冬木の町に現れて、戦争をするでもなくランサーと釣りをしていたのだから。
それを知ったのは士郎からの手紙。
もう、時計塔の事なんてどうでもいいくらい驚いて、慌てて帰ってきてしまった。
それが本当なら、この眼で見ないと気が済まないし。
なんでマスターだった私の所に挨拶の一つもしないのよーと怒って。
その後、半年にも及ぶ私の気持ちを全てぶつけてやるんだから。



という事で、突発的に続き物をブログに書いてみるテスト。
セイバールートで実はアーチャーの夢を見ていた凛が、半年後にホロウでアーチャーに合うまでの話…の予定。
通常の更新より簡単なので、ちょこまか更新して、まとまったらちゃんとパロディ部屋に収納するつもりです。
そんなに長くないと思います。
多分…
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