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趣味用ブログ。 ネタだったり、近況報告だったり。 分家には書かれない事、書いてます。
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プロフィール
HN:
藤宮紫苑(ふじみやしおん)
年齢:
43
性別:
女性
誕生日:
1980/10/13
職業:
主婦兼パート
趣味:
今はコレでしょうかね…(笑)
自己紹介:
今現在のジャンルはFateシリーズです。
諏訪部さんに嵌まっていますが、最近平川さんもハマリ気味。
演技が上手い人が好きみたいです。
男女問わず。
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あまりにも自然に言われたから、反応するのが遅くなってしまった。
だって、シャワー浴びてドライヤーで髪を乾かしてバスルームから出てきたら、半年前のように普通に紅茶入れたが飲むかね?なんて聞くんだもの。
それが当たり前みたいに、貰おうかななんて答えて、それからその異常に気づいて。
考えていた事とか全て消し飛んでしまった。
頭の中は真っ白。
ほんと、どうしてくれるんだろう…?


worldendfairytale 3


「なにやら不機嫌なようだが…何かあったのか?」
自分が元凶だなんて気づきもしないで私の向かいで紅茶を飲んでいるアーチャー。
「…あのねえ、ヒトがはるばるロンドンから帰ってきてシャワー浴びて出てきたら、勝手知ったるなんとかでいるはずの無い人が紅茶入れてれば驚くでしょう」
「だが君は私の姿を認識していたはずだろう?橋の上にいたのは確かに君だった」
その言葉に、私は記憶をフル活動させてみる。
コイツが振り向いた姿なんて見ていない。
「もっとも、君が歩いて去る姿しか見ていなかったがね。その様子だと君が私を認識していたのは間違いないようだが」
表情に出ていたようで、アーチャーはからかうような笑みを浮かべていた。
「見たけど、確証なんて無かったわよ。そこまで眼が良くはないもの」
「確かに、私が見えるのは当たり前だが…君でも迷うのか?」
その言葉は、自分の従者を見間違えるのか?と聞かれているようで、答えに困ってしまう。
「そんな事は…ないけど。でも、あなたは消滅した…んでしょう?いないと分かってるのにいたと思うなんて私には」
辛すぎて出来ない。
その言葉は言いかけて飲み込んだ。
だって、まるで告白みたいだから…
「成る程。確かに私はあの時消滅したよ。だが、これはあの時のとは違うようだ。戦争をするという思念が無い」
まるで人事のように。
アーチャーが消滅したなんて言うから、さっきの動揺が戻ってきた。
「あの…ごめんなさい」
言いたいことはさっき吹き飛んでしまったので、出てきた言葉はこれだけ。
我ながら他になかったのかと思っちゃうけど、それ以外は浮かんでこなかったのだ。
「凛…?何の話だ?」
「私、あの時…あなたに…」
消滅する事が分かっていて、死ぬ事が分かっていて、足止めするように言った。
「気にする必要は無いよ、凛。君の判断は正しかった」
「でも…!」
「あの時ああしたからこそ、君は生きている。私は君のサーヴァントだ…主を守るのは当然だろう?」
もう過去の話だと言う様に話すアーチャー。
だけど私は。
「それでも私は…あなたに死ねと言ったのよ」
「君にそう言われれば私は喜んでそうするよ」
「な…なんで?!」
アーチャーの考えが分からなかった。
「君は私のマスターだ。それに…君も気づいているのだろうが、私は…」
アーチャーの言葉を聞いて、アーチャーが士郎だということを思い出した。
つまり。
「あなたも自分が無いってこと?」
「いや?君だけだろうな、今は」
でなければエミヤシロウを嫌悪したりはしないだろう…なんて呑気に答えるアーチャーを見て、私はその考えが取り越し苦労であると気がついた。
でも。
もう一つの言葉に気がついて、また動揺した。
「ちょっと待って、なんで私だけ…なの?」
「君がマスターだからだよ」
「他の人に召喚されても、そうなの?」
どうしてもその言葉に他意はないと思いたかった。
アーチャーが私に対して特別だというような感情を持つなんて…思えなかった。
だから、否定したかった。
「それはどうだろうな。君だからだとは思うが…凛?」
アーチャーが私の顔を見て言葉を切った。
私ははっとして、顔を背ける。
からかわれると思っていた。
なのに、コイツは真面目な顔で真面目に返してきた。
「もう、いいわよ…」
その真面目な答えだけで、私の考えは消えてしまった。
少なくとも、アーチャーにいなくてもいい存在と思われていないことは分かったから。
紅茶を入れてくれて、心配してくれる程度には思っていてくれると分かって、安心できたから。
「そうかね?今日の君はどうかしているようだが。疲れているのか?」
「そうね、疲れてるわ。あなたの顔を早く見たいと思って急いで帰ってきたから」
本当のことを少しだけ。
「にしては、さっきはそのまま帰ったようだが?」
「冗談に決まってるでしょ?こんな面白い事、楽しまなくちゃ損だから急いで帰ってきたのよ」
いつもの私に戻って、この異常な日常を過ごそう。
解決もするけど、それは後で。
今は、あの時出来なかった事をやるのが先だから。
「君らしいな」
いつもの笑みでいつも通りにそこにいる、有り得ない日常を過ごす奇跡。
魔術師としてはアレなんだけど、そんなことは置いといて楽しもう。
今度は後悔しないように。




という事で、切れが悪いような気もしますが、終了です。
これは後日パロディ部屋に移動します。
実際にアーチャー=士郎を凛が知っているのかどうかは知りませんが(士郎に好きと言うらしい事は噂で聞きました)この中ではそういうことで。
ペンダント、士郎の家で発見した凛が、理解してると勝手に想像中。
この話の時点では、凛は士郎が自分に憧れていたなんて知りません。
アーチャーの真面目な言葉の先はきっと、君はエミヤシロウにとって憧れだったから…とか続くのかと。
聞いてたら卒倒ですね、うちの凛。
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