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趣味用ブログ。 ネタだったり、近況報告だったり。 分家には書かれない事、書いてます。
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プロフィール
HN:
藤宮紫苑(ふじみやしおん)
年齢:
43
性別:
女性
誕生日:
1980/10/13
職業:
主婦兼パート
趣味:
今はコレでしょうかね…(笑)
自己紹介:
今現在のジャンルはFateシリーズです。
諏訪部さんに嵌まっていますが、最近平川さんもハマリ気味。
演技が上手い人が好きみたいです。
男女問わず。
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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
衛宮邸 15時


遠坂さんちでおかしな事になっている頃、衛宮さんちでは楽しげな雰囲気になっていた。
桜と士郎は並んでお菓子を作っている。
洋菓子については桜の方が得意であり、セイバーたっての願いもあって二人は洋菓子を作っていた。
セイバーはイギリスの人である。
その頃にはそうは呼ばれていなかったのだが、二人はそう解釈しアフタヌーンティの茶菓子を作っていた。
イギリスの正式名称は『グレートブリテンおよび北アイルランド連合』だったはず。
大雑把には合っている。
事の始まりは昼食の後だった。
あまりにもセイバーが故郷の食べ物はあまりよくなかったというので、それならどんなものが食べたいのかと士郎が聞き。
答えが何でもいいだった。
それじゃ駄目だという事で、桜が聞いてみた所、国は大体イギリスら辺、と分かったのだ。
イギリスといえばアフタヌーンティ。
それなら紅茶に合う洋菓子だろうと、二人は作り始めたのだ。
紅茶用の洋菓子ならスコーンとかクッキーとかだと思うのだが、そこは二人の計らいによりもう少し豪華なお菓子、となったのだ。
作っているのはパウンドケーキ。
いわゆるバターケーキといわれるものである。
生クリームは使わないものの、紅茶を邪魔する事のない、それでいてしっかりとした存在感を持つケーキ。
バリエーションも豊かで、混ぜ込めば多種多様な味を持つ、侮れないお菓子だ。
15時まであと数分となった頃、部屋は甘い匂いで満たされていた。
待ちきれないセイバー。
切り分けられ、食卓に並ぶパウンドケーキの山。
二人は五台分は焼き上げたはずだが、そのケーキの山は三十分とは持たなかった。
その後、二人は美味しい手作りおやつを更にセイバーに要求される事となった。
毎日、セイバーに楽しみに待たれて、日ごとにランクを上げざるを得なかったのは言うまでも無い。
頑張れ衛宮の調理担当。
その積み重ねがいつか役に立つぞ!

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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 14時


昼食が過ぎた昼下がり。
自室ではなく、居間でソファに転がり魔術書を広げる凛。
アーチャーは洗濯物を取り込んで畳むという動作を繰り返している。
「ねえ、アーチャー」
昼食後にランサーは美味かった、ごっそさんと言い残してあっさりと帰っていった。
満足したんだろう。
凛はそう思っていた。
「む?喉でも渇いたのか?」
「そうじゃなくて」
あからさまに声をかけられる意図が分からないという顔をするアーチャーに、凛はきちんとソファに座りなおして首を振った。
「喉は渇いてないわ。さっき紅茶飲んだもの」
ミニスカートで寝転がっていた事を気にしたのか、スカートの端を直しながらアーチャーの問いに答える。
「前から…気になっていたんだけど。アーチャー、私の事、どう思ってる?」
洗濯物を畳む手を止めて、アーチャーは表情をどうしたらいいのか分からないと凍りつく。
幾度と無く気持ちは吐露してきたつもりだった。
なのに突きつけられたその質問。
アーチャーはこっちが聞きたいと心の底で思っていた。
「唐突にどうしたのかね?質問の意図が見えないのだが」
表面上はきっちりと作り上げて、平静を装う。
「いいから。何でもいいわ、言ってみて。ほら、魔術師としてはどうだとか、あるでしょ?」
凛は質問の幅の広さに気づき、ヒントを加えた。
要は、印象を聞きたいらしい…アーチャーは思った。
それなら答えるのは難しくない。
「ふむ。普段の君については優秀な魔術師であり、優秀な学生だと思っているよ。時々とんでもなく恐ろしいドジを踏むが」
「それから?」
それから?
凛の言葉に、言葉がつまるアーチャー。
これ以上好意見を続けると、また吐露しかねない。
それならば。
「保護者代行としてはまだまだ見ていないと気になるといったところかな」
「あー、やっぱり」
「む?不満かね?」
凛は想像通りだと頷くと、アーチャーの言葉にある一点を指差した。
「だって。保護者じゃなきゃうら若き乙女の下着を平常心で畳めないもの」
指したものは、洗濯したての凛の下着。
この家には凛の衣服以外には無い。
アーチャーが現在の服を洗濯すればそうではないのであろうが、それは好ましい状態ではない。
一緒に干そうものなら、同居してる人間がいるとご近所で噂されてしまうからだ。
そんなわけで洗濯物は凛のものだけ。
「…それを確認したかった質問だったのか…」
アーチャーは相変わらずの凛の思考に呆れつつも、過去の鍛錬が実を結んでいる事を複雑に思った。
どの道を通った衛宮士郎であっても、避けて通れなかったもの。
それは姉として接してくれる保護者の洗濯もするという試練。
初めこそ動揺したものの、なれるとそれはただの作業になっていた。
だからなのか。
心頭滅却してこれは藤ねえのだと暗示をかければ大丈夫。
そこまで考えて、凛が残念そうにしている事に気づいた。
もたげる、からかいたいという感情。
「凛」
「何よ?」
「私が君の下着に毎回どぎまぎしているとでも思ったのかね?」
「そうじゃないけど」
暗示がなければしてるだろうとも。
まあ、していても表には出さないが。
アーチャーは心の中で独り言を繰り返しながら、凛をどうからかおうかと思案する。
「あ、アーチャー、そろそろ15時よ?!お茶の用意する時間じゃない?」
不穏な空気を感じ取ったのか、凛は話題を逸らそうと紅茶を要求する。
「ふむ。では用意をするとしようか」
立ち上がり、キッチンに向かうアーチャー。
ほっとした凛に降って来た言葉は、とんでもないものだった。
「話は後でまた追求する事にしよう。なに、時間はあるのだからな」

next 衛宮邸 15時
遠坂さんちの家庭の事情 番外編
教会 13時

遠坂邸についで衛宮邸が沈静化した頃、教会では私室でマーボを頬張る神父が一人。
出向いて食べるという事も考えたが、一人である事を考え自炊を選択した。
材料についてはランサーに調達させている。
香辛料の用意も万端だ。
まあ、唐辛子とか辛めの香辛料の量が尋常ではないのはお約束であるが。
買いに行かされたランサーの不幸もさることながら、普段は大量にストックを抱える事のない調味料を一瞬で買占めされた食材店も哀れである。
神父はマーボの作り方は呼吸をするのと同じくらい慣れており、その調理は神がかったかのように素早かった。
出来上がるありえないほどの赤みを誇るマーボ。
豆腐ははっきり言っているのか?と聞きたくなるような赤さ。
白は許さんと言いたげな赤い液体に浸かる、居心地悪そうな豆腐の悲哀。
もしかするとその辺まで楽しみの対象なのかもしれないと思うのはどうかとして。
神父は、それは心底満足そうにマーボを食べていた。
それを目撃したのは、本来ありえない少女に撃退された金ピカ我様。
彼としてはそれをすすめられたくは無い。
だが、気づかれれば食べさせられる。
ここ以外に行く場所は無い。
葛藤が、かつてここまで悩んだ事はないだろうというほど渦巻く。
ここまで悩んでいたら、きっと国は滅びなかった。
それくらいの悩みだ。
そして。
たっぷりと悩んだ英雄王は、見なかったことにして教会を去った。
時間を潰して帰ればいいだけのことと、自分を言い聞かせて。


ちなみに。
神父は中華鍋一杯のマーボを、汗一つかかずに食べきりました。
それも、30分足らずの時間で。
きっと普通の味では…ダメなんだろうね…

next 14時 遠坂邸
遠坂さんちの家庭の事情 番外編
衛宮邸 12時半

遠坂さんちで丸く収まった頃、衛宮さんちでは死闘が続いていた。
宝具こそ出ないものの、暴れているのはサーヴァント。
お昼ご飯に飛び火してはいけないとセイバーとギルガメッシュは庭で争いを続けていた。
今日の昼食は純和風なメニューが並んでいる。
セイバーはともかく、ギルガメッシュには馴染みのない料理ばかり。
加えて彼は庶民の食事を摂った事が無いために、食べる気が無い。
綺礼のマーボは食べるのにね。
「そこに直りなさい、ギルガメッシュ!今日という今日は許しません!」
傍から見れば昼食くらい…とは言うなかれ。
セイバーにとっては大切なものベスト3には入るのだ。
生前(?)雑な食事しか摂れなかったセイバーにとっては、現在のきめ細かい食事はまさに宝。
それこそ生きていた時代に士郎君を連れて行きたいと思ったほどの衝撃だったのだから。
それに引き換え、暴君として名を馳せているギルガメッシュは、それはもう贅沢三昧だった。
優雅な宮廷暮らし。
政治は真面目にやらない、勝手気ままな生活。
そんなだからこそ、民衆に懲らしめてくださいと神様から色々されちゃうわけだが、そんな状態でも親友を作っちゃう辺りはさすが黄金率Aなわけで。
つまりは、同じ王様でも根本的にかみ合わない二人であるという証明\のようなものなのだろう。
二人の食事観というのは、それぐらい相容れないのだ。
だから。
傍で見ている同居人たちには止めようも無く。
かと言って、セイバー抜きで食べるわけにも行かず。
どうしたらいいんだと嘆くしかないのである。
ある、一人を抜いて。
「どうしたんだ、桜?」
気づいたのは鈍感だと称される士郎君。
桜の異変に気がついて、肩を叩こうとする手をライダーに止められた。
「士郎、中に入りましょうか」
桜の異変に、具体的に気づいたライダーは事情が飲み込めない士郎を連れて、中へと入っていく。
今日はタイガがいなくて良かったですね、などと呟くライダー。
「桜残しちゃ拙かったんじゃないか?」
「大丈夫です、士郎。すぐに片付きますから」
ライダーの笑みとその言葉に、士郎は何かいけないものを感じた。
知ってはいけない、見てはいけない。
知ったら最後、飲み込まれるような…何か。
ライダーの言葉に素直に従って、士郎は昼食用の味噌汁を温めなおす事にした。


士郎とライダーが去った庭では、絶対的な力によって収められようとしていた。
黒い影が支配する庭。
「ちょっと待ってくださいサクラ!!それが出てくるのはまだ早いはずです!!」
うろたえる騎士王。
「雑魚が、大人しくしておればいいものをー!!」
目的を忘れて迎撃する英雄王。
「……なんで……ワタシの幸せ、壊そうとするんですかー!」
桜の叫びと共に湧き出てくる影の群れ。
それを必死に交わす王二人。
「分かりました、サクラ!仲良くお昼にしましょう、シロウが待っていますよ!」
「貴様ごとき手を下すまでも無い、次にあった時は容赦はせんぞ!」
セイバーは桜を元に戻そうと必死に説得し、ギルガメッシュは訳の分からない捨て台詞で戦線離脱。
ギルガメッシュが去ると、桜はいつもの桜に戻った。
「ギルガメッシュさん、帰りましたね、ご飯にしましょうか」
「そうですね、サクラ。今頃シロウが温めてくれていますよ」
まるで今までの悪夢が嘘だったかのような桜の様子に、セイバーはほっとした。
取り合えず今は昼食。
桜がいずれあの桜を出す事を理解しつつ、まだそれはないだろうことを祈るセイバーだった。

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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 12時


昼、である。
昼前から準備をしていたアーチャーは、時間を確認するとランサーに声をかけた。
「もう昼だが、何時までいるつもりかね」
「ん?そうだな、特に決めていないが…」
ここで気心の知れた、正規に招かれた客であるのならば昼食を一緒にどうか?と誘うのだろう。
だが残念ながらランサーは招かれざる客で、アーチャーは一刻も早く立ち去る事を望んでいる。
昼食を一緒にどうか?と誘う事も、誘われる事もありはしない状況だった。
「ならば早々に立ち去りたまえ。凛はこれから昼食だ」
「んじゃ、俺の分も」
かみ合わない会話と雰囲気。
友好的なランサーの雰囲気と、好戦的なアーチャーの雰囲気。
それを目の前で展開される凛は、心底どうでもいい気分だった。
はっきり言って、ランサーの事は嫌いじゃない。
でも、それを言えばアーチャーはきっと機嫌を損ねてしまう。
「これも板ばさみって言うのかしらね…?」
小声でこっそりといってみるが、目の前の二人は気づくはずも無く。
やっぱり、どうでもいい凛だった。
「どこの世界に馴れ合うサーヴァントがいる?!」
「ここに。死闘してないんなら別にいいじゃねえか、なあ嬢ちゃん」
「私に振らないで」
二人の言い争いが平行線で終わりそうに無いとは思う。
だが、それをどうやって収めればいいのか。
「それなら、アーチャー。番犬にでもする?」
「?!」
私の一言に、それぞれ別々の反応をする二人。
「犬っていうな!」
「何で番犬にするんだ、凛?!」
面白い、このまま少し放って置こうか?
悪魔な思考が首をもたげたが、踏みとどまって凛は簡単な事よ?と説明を始めた。
「タダで昼食に招くのは敵サーヴァントだとありえないことよ。だけど、条件があるなら考えてもいい話だわ」
「まさか、それで…」
「そう、番犬。餌付けしてみるのも楽しいかなって」
そう簡単にまとまる話ではないけれど、転機になればいい…なんて思っていたら。
「いいぜ、番犬くらいならやってやるよ。今日一日くらいならな」
「え?ランサー、冗談だったんだけど」
本気になった人がここに一名。
「断る。貴様が一番危険だろう?番犬になどなりはしない」
保護者根性が湧いてきた人が一名。
もしかして、また平行線?
「昼ぐらいいいんじゃない?アーチャー、あなたも同席するでしょう?」
「それは、まあ同席はするが」
「ランサー、別に急ぐ用事はないのよね?なら食べてから帰ったら?」
「嬢ちゃんがそういうなら、そうするけどよ」
「はい、決まりね」
このまま延々と言い争って昼食が夕食になるよりかはいい。
アーチャーには同席する事で見張ればいいと促し、ランサーには食べたら帰るように促す。
食べたら帰る、というのならばアーチャーだってそれ以上反対する事はないだろう。
「お昼は何?時間かけていたみたいだけど」
「ん?ああ、エミヤシロウの家では和食ばかりだったからな。あっさりめの煮込みハンバーグを作ってみた」
「食べてないのに良く見てるわね…」
アーチャーの観察眼にも驚くけれど、ランサーはアーチャーが料理をする事に驚いている。
「家事万能なサーヴァントってのもいるもんだな」
パラメーターがあったら家事能力A+だな、なんて笑っている。
アーチャーの場合、それに加えて執事能力もありそうだけど。
「嬢ちゃんは作らないのか?」
「私?私は中華料理とかそういうのは作るけど、和食は得意じゃないわ」
もっとも、綺礼のような辛い中華は得意ではない。
食べれるけど。
「ふーん…。嬢ちゃんの中華なら食べてみたいかもしれないが、マーボは勘弁な」
マーボと言った時のランサーの苦渋の表情が気になったけれど、それは今度聞くことにしよう。
テーブルにはアーチャーお手製の昼食が並んでいるのだから。
手伝い位してもいい気分だしね。
きっと、ランサーにそういうサーヴァントも悪くないと言ってもらえたのが良かったのかもしれない。
なんだかんだ言って、私はやっぱりアーチャーが一番なんだろう。

next 12時半 衛宮邸

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