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趣味用ブログ。 ネタだったり、近況報告だったり。 分家には書かれない事、書いてます。
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プロフィール
HN:
藤宮紫苑(ふじみやしおん)
年齢:
43
性別:
女性
誕生日:
1980/10/13
職業:
主婦兼パート
趣味:
今はコレでしょうかね…(笑)
自己紹介:
今現在のジャンルはFateシリーズです。
諏訪部さんに嵌まっていますが、最近平川さんもハマリ気味。
演技が上手い人が好きみたいです。
男女問わず。
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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 21時

ギクシャクした夕飯は終了し、そろそろ一般的には眠る時間。
明日が学校の凛は学校の用意を終えると、いつもの服装をして外へ出た。
毎日恒例の夜中の見回り。
声をかけずともアーチャーは黙って凛について遠坂邸を出る。
さすがに見回りをするだけに、服装はいつもの装束である。
「今日はどの辺を見るんだ?」
「そうね…こっち側でいいんじゃないかしら」
新都には行かない。
明日は学校もあるし、今のところは異変の前兆などもないし。
「了解。夜更かしはあまりよくない、早めに終えて戻ろう」
「アーチャー」
アーチャーの凛を心配するかのような発言に、思わず歩みを止める凛。
「私なら大丈夫よ。今までだってちゃんとやってきたでしょう?」
「そうだな。だが…」
「?」
凛の言葉に言いよどむアーチャー。
そんなアーチャーの態度に訝しがる凛。
今まで、そんな事はなかった。
アーチャーが言いよどむ事ではない。
凛が夜の見回りをする事に心配しているという、現在の状況。
「むしろ昼間こそを警戒したほうがいいのではないのかと、思っただけだ」
「昼間?なんで…あ」
昼間。
魔術師同士の争いは人目につかない夜中に起こるのが普通。
でも、今日の昼間は。
ランサーが、昼ご飯を食べたり話をするためにやってきた。
まるで友達のような気軽さで。
けど、きっとそれは違う。
ランサーは気軽に話した相手でも次の瞬間には殺し合いが出来るような人物なのだ。
今日はその気がないから何も起きなかった。
だけど、もし次に同じような状態で殺し合いをしようと思ったら。
遠坂の敷地内なら周りの住民には知られずに収める事も出来るかもしれない。
出来たとしてもそれはきっと低い確率だろう。
ランサーは対城宝具を持っているようには見えない。
対人宝具だとしたら…それこそ家の中はランサーにとって都合のいい場所だろう。
そういう不安を抱えた相手と私は話していたのだ。
そりゃ、アーチャーが警戒するのも無理はないわね。
「まあ、今後も来るとは思えないけど、次からは気をつけるようにするわ」
「それがいいだろうな。そうと決まればほら、行くぞ」
「う、うん」
幾分機嫌が良さそうに見えるアーチャーに押されて、凛は夜の街を歩き始めた。
人気がないからとアーチャーは現界したまま。
街をぐるっと一周して、帰ってくると時間は23時を回ったところだった。
「寒かったからな…いま紅茶を入れよう」
「ありがと」
素直な気分でそういうと、アーチャーは驚いたように私を見てそれから笑った。
「まあ、こういうこともたまには良かろう」
「どういう意味よ?」
「いや。紅茶はノンカフェインのものでいいのかね?」
はぐらかすように笑うアーチャー。
「いいけど…どういう意味よ?」
「どうもこうも。君に感謝されるのも悪いものではないと言っただけだよ」
私の問いかけにやれやれといった様子で答えるアーチャー。
「私の感謝だもの、ありがたく受け取りなさいよね」
「了解」
気分が悪いわけではないので、私も冗談めかして言ってみた。
今日は良く眠れそう。
昼間から続いていたギクシャクがなくなって、いつもより気分がいい気がする。
何でだろう、何にも片付いてないのに。
まあ、こんな日もいいのかも。

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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
衛宮邸 19時

遠坂さんちがギクシャクしていた頃、衛宮さんちは殺伐としていた。
たった一人の来訪者のせいで。
「ランサー、急に来るなよ」
「わりい、連絡入れる時間無かったんだよ」
「…連絡を入れてくる以前の問題ではありませんか、ランサー。敵が乗り込んでくるなど」
夕飯を食わせろとやってきた来訪者に、用意がないと慌てて用意してくれる家主。
一方、夕飯の分け前が減ると遠回りに訴える従者。
間に挟まれる騎兵の主従はどうしていいか分からないまま。
衛宮家の居間はカオスに包まれていた。
このままでは埒が明かない。
立場の弱い家主は考え、一つの妥協にたどり着く。
たどり着いた。
が…
果たしてあの剣兵に通じるのか?
士郎は悩んでいた。
ランサーが来た事で一品追加しつつ、心は複雑なままだ。
「連絡ってさ、どうやってするんだ?」
「ん?そうだな…」
気分を変えようとランサーに話を振る士郎。
ランサーは聞かれて考え、のろし?と答えた。
「のろしって…空を見てないと気づかないだろ」
「そりゃそうだ。でもオレが電話とか言う奴使うってのもなー」
「電話知ってるんだな…」
ランサーの呟きに反応しつつも、料理の手は止まらない士郎。
作ったのは簡単な鶏肉の照り焼き。
手順を多少飛ばして作ったので味はどうなのかと不安に思ったが、味見してみたらそれなりなので一安心。
この味ならセイバーの機嫌を損ねる事はない。
「夕飯にしようか」
出来上がった照り焼きを食卓に運んで、座る士郎。
ランサーの分のご飯と箸は桜がすでに用意しており、後は士郎が席につくだけ…という状態だった。
「よし、いただくぞ」
何気に箸を器用に使うランサー。
負けじと箸を使うセイバー。
「やっぱ、おんなじもんばっかじゃダメだよなー」
「ランサーっていつも同じもの食べてるのか?」
「マスターがな…ま、昼は嬢ちゃんちで食べたから、今日は何とかましだけどな」
ランサーの言葉に驚く面々。
「姉さんのところで食べたんですか…?」
「ん?ああ。上手かったぜ。作ったのがアーチャーじゃなくて嬢ちゃんならなお良かったんだが」
「アーチャーが食事を作っているのですか…」
ライダーは意外なものを見るかのような眼で、呟いた。
あの外見で料理上手。
面白い特技もあったものだと思ったのかもしれない。
「あなどれないぜ、アイツは」
「アーチャーですか?」
「料理はプロ並だぜ。なかなかお目にかかれないくらいの料理だった」
士郎の料理をパクパクと食べつつ、思い出して頷くランサー。
「どんなものを作っていたんですか?アーチャーさん」
「食ったのはハンバーグだったな。アイリッシュシチューベースの煮込みハンバーグって所か」
「手が込んだものを作るのですね…それ以前にあなたがアイリッシュシチューという単語を知っていることも驚きですが」
今現在、3騎のサーヴァントたちはそれぞれの素性を知らない。
何気に近い位置の出身の二人は、それを知らずにいる為にお互いがお互いの言葉で驚いたりする。
現在では同じ国に分類されることも知らずに。
「ランサー、話してるとなくなるぞ」
「あ?うぉ?!」
聞かれて答えていたランサーは、セイバーの食欲に驚いて絶句した。
「いつもこんなに食べるのかよ…」
豪快さで勝るランサーではあるが、セイバーの食欲には脱帽である。
何があるとこんなになるのか…?
謎が謎を呼ぶ(ランサー調べ)衛宮家の夕食であった。

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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 19時

ぎこちなく時間を過ごし、気がつけば夕飯の時間だった。
あの後はお風呂はいるからと話を濁した凛は、アーチャーの容赦ない突込みが何時来るのかとドキドキしていた。
一方アーチャーの方はそれ以上突っ込むとミイラ取りがミイラになる可能性が高いので、話の事は忘れようとしていた。
そんなわけで妙にぎこちない二人。
夕飯の相談も適当に済ませ、二人はそれぞれの作業に没頭する事でそのぎこちなさを紛らわせているのだった。

「出来たぞ、凛」
「ん。今いく」
短い言葉で交わされる会話。
会話がなくなると運ばれる食器の音だけが響く。
何でこんな事になったんだっけ?
凛はふと思った。
きっかけは自分の問いかけ。
だけど、その問いかけをするきっかけは…
「そっか、ランサーがあんな事言ったから」
答えに思い当たって、言葉を漏らす。
慌ててアーチャーを見ると、ばっちり視線が合った。
「ランサーがどうしたというんだ、凛?」
聞かれてたか…凛は心の中で呟いて、どう誤魔化すかと考える。
「ランサーが、私服だったでしょ?どうしたのかって聞いたら…」
「あの格好では目立つからだろう?青い髪、赤い瞳。それ以上にあの体にぴったりなスーツのような服では…まあ、良くて変態。一歩間違えば警察に通報というところか?」
「なかなか辛辣ね、アーチャー。私から見ればあなたの格好も似たようなものだけど?」
特に外套。
黒地に赤で目立つし、今時あんな服の人はいない。
外套を外したら…それなりにいけなく…はないか。
ライダーの服に負けず劣らず、アーチャーの服だって体にぴったりだ。
目立つ事この上ないのは同じ。
銀髪にグレーの瞳。
外人(と思われる)の長身。
自分のことを棚にあげて話す様子がおかしくて、私は笑ってしまった。
「む?それは聞き捨てならんな」
「そう?無意識なんだ、アーチャーは」
かなり外見だって目立つのに。
全然分かってないんだ。
私は更に楽しくなって…その分だけ、焦りを感じていた。
前にした好きな人の話。
実際に今はいなかったとしても、今のように私服で歩き回ればアーチャーに好意を寄せる人だって出てきてもおかしくない。
私よりも大人だったら…
「どうした、凛?私の格好は落ち込むほどにおかしいのか?」
私が急に黙り込んだのを気にして、慌てるアーチャー。
慌ててるはずなんだけど、口調とかは変わらない。
それなのに私が慌てていると分かるのは、アーチャーの眼が泳いでいるからだ。
考えるようにあちらこちらを見ている瞳は、きっとアーチャーの今の心を表しているんだろう。
それもほんの僅かな時間だけ。
気づこうとしなければ気づけない位小さな異変。
「こっちの話よ。それよりもおなかすいちゃった。来ないとは思うけど、ランサーが来たら面倒だからさっさと食事しちゃいましょ?」
「あ、ああ。了解した」
アーチャーは敢えて深く突っ込まず、言われたとおりに用意をする。
ランサーが来たらという言葉に反応しているのは疑う余地がないだろう。
キッチンに用意に行ったのを見届けて、軽く息を吐く。
また迷路に入り込むところだった。
もう考えるのは放棄して、アーチャーの作った夕飯に意識を集中しよう。
そうしないと、きっと…また落ち込むから。
まさか家がこうなっている頃に衛宮君ちが大変な事になってるなんて、私は知らなくて。
知ったのは後日。
ランサーが乱入してきて大変だったと聞かされたのだった。

next 衛宮邸 19時
遠坂さんちの家庭の事情 番外編
教会 17時


夕方、夕食の準備をする時間。
早ければ食している家庭もあるのかもしれないが、教会ではまだだった。
「ランサー、いつものを頼む」
「しかたねぇな…行ってくる」
神父が任せたものは買い物。
買いに行くものは聞くまでもなく…マーボの材料である。
ランサーはいつも思っていた。
この男はまともな食事を何時してるんだろう、と。
一日三食マーボ。
ありえない。
きちんと考えて食事をしたいランサーとしては、考えられない食生活だった。
今日も今日とて豆腐を買い求めるランサー。
商店街での知名度も上がってきていて、買い物がなにであるかを言わずとも八百屋のおじさんは長ネギを差し出してくれる。
いいのか悪いのか。
馴染みつつあるランサーは、複雑な気持ちだった。
「かって来たぜ、コトミネ」
「早かったな、ランサー。…食べるか?」
「いらん」
すでに作る準備を始めている神父の誘いを断って、ランサーはふと思った。
ああ、嬢ちゃんのところの夕飯でも食いにいくか。
だが、すぐに保護者が浮かんできてその考えは却下された。
昼でもあれだけの警戒だったんだから、きっと夜はもっと警戒されるだろう。
下手すれば英霊の座に戻されるかもしれない。
それは勘弁して欲しいなぁ…
後ろでは手際よく進む神父の料理。
出来上がったら食べさせられるかもしれない。
ここはとりあえず外に逃げるか。
ランサーは神父に気がつかれない様に教会の外に出た。
行くのなら、人数が多い方がいいかもしれない。
「よし、ボウズん所に行くか」
行く場所は決まった。
行動の速い槍兵は夜になりつつある街を抜けて疾走する。
衛宮邸の夕食を目指して。

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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 15時半

衛宮邸がケーキの香りに包まれた頃、遠坂邸では紅茶の香りが漂っていた。
凛のとっておきの紅茶。
アーチャーの手作りクッキーと相まって、凛にとっては至福の時間であった。
あの、追求さえなければ。
「凛。君は前からそんなことを気にしていたのかね?」
「何よ、悪い?いくらサーヴァントだからってアンタだって男でしょ、嫌がると思って…たんだけど」
「私が嫌がらず、しかも平然と片付けているから業を煮やした、と言うところか」
凛の歯切れの悪い言い方に、楽しさを隠しているといった表情で答えるアーチャー。
「なによ、動揺してるなら…その、それくらいは自分でやろうかなって思っただけじゃない」
「それには及ばん。動揺しないからな」
さっきの動揺を微塵も見せず、しれっと言ってのけるアーチャー。
「だから、動揺してるならって言ったじゃない!してないならそのままやってくれて」
「の割には動揺しているようだが?」
「な…っ」
凛の動揺を見抜いて、畳み掛けるアーチャー。
「実は君の方が動揺しているというオチかね?」
「う…」
更に言葉をつまらせる凛。
顔は真っ赤になりつつある。
「図星…というところか。気にしなければ良かろう?それこそ、使い魔と割り切ればいい」
「そんな事言ったって、猫とか可愛い妖精みたいなのとかとは違うじゃない!」
「それはそうだが…そればかりは私にもどうしようもないな」
英霊はあくまでも人である。
人である以上、形を変えることは出来ない。
「いくら私でも、そんな魔術は使えないもの」
「そもそも猫や妖精では家事は出来まい?人型であることに感謝したまえ」
うろたえる凛の目の前の席に座って、アーチャーは意地悪い笑みを浮かべている。
それが悔しいと思いつつも何もいえない凛は、赤い顔を隠そうとそっぽを向いてみせた。
仕方ないのだ、人であることを一番に喜んでいるのは自分なのだから。
それに、動揺して何が悪いんだろうか。
好きな相手に下着を見られるというのは物凄く恥ずかしいんだから。
でもその思いは心の中にしまったまま。
これは言ってやるものか。
そこまでの決意は見せずに、凛はいつもの自分を装う。
そのうち、どぎまぎさせてやるから見てろよ!
なんて思いながら。

next 教会 17時

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