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趣味用ブログ。 ネタだったり、近況報告だったり。 分家には書かれない事、書いてます。
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プロフィール
HN:
藤宮紫苑(ふじみやしおん)
年齢:
43
性別:
女性
誕生日:
1980/10/13
職業:
主婦兼パート
趣味:
今はコレでしょうかね…(笑)
自己紹介:
今現在のジャンルはFateシリーズです。
諏訪部さんに嵌まっていますが、最近平川さんもハマリ気味。
演技が上手い人が好きみたいです。
男女問わず。
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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 10時

ランサーの押しかけから一時間。
仕方なく私はランサーのお茶に付き合っている。
外出は頑としてアーチャーが許可しなかったので、遠坂の居間でお茶会である。
紅茶なんて飲むのかしら…というのは杞憂で、ランサーは実に美味しそうに飲んでいる。
「あなた、紅茶がある国の人なの?」
「そういうわけじゃねえが…まあ、合う合わないで言うなら俺としては合う方だろうな」
ランサーの正体を知らない私としては、手がかりというより興味で聞いた。
ぱっと見、粗野な感じのするランサー。
でも三騎士の一人として、嗜みはあるようだ。
「もう一ついい?」
「なんだ?」
「なんでそんな服着てるの?」
アーチャー同様いつもの服装ではないランサー。
何故かこちらは動揺しなかったけど。
「ああ、これか?外出るなら馴染む服装にしとけと暴君に言われた」
実に嫌そうな顔で語るランサー。
暴君、とはマスターの事だろうか。
だとしたらとんでもなく相性の悪いコンビである。
「その発言はともかく…派手好み?」
「ん?いや、なんとなくだ。外見で目立つからな、それにあわせたらこうなった」
確かに青い髪に赤い眼は目立つ。
これでシックな服装は似合わないし…外見がロックな人に見えるから丁度いいのかもしれない。
街中で出会っても眼は合わせないだろうけど。
「ところで嬢ちゃんは落ち着かないようだが、どうかしたのか?」
「…わかる?」
さっきからアーチャーの視線もさることながら、やはり服装に落ち着かない。
いつもの赤ではないから、視界に入るたび戸惑う。
「嬢ちゃんの視線から察するに、原因はアーチャーか」
「ええ…。私服で歩かれると調子狂うのよね」
アーチャーに気づかれないように小声で話す。
今アーチャーはキッチンで昼食の仕込をしている。
どこまでもまめなサーヴァントである。
「なんでだ?俺にはそんな風に感じてないんだろう?」
「んー、一番の理由は…多分、赤じゃないからだと思う」
本来のアーチャーは黒地に赤のカラーリング。
私と同じ色あわせ。
それを密かに喜んでいただけに、赤が抜けると寂しいのかも知れない。
「慣れの問題か。アーチャーとはそれだけ慣れてるんだろうよ」
慣れと言われればそうかもしれない。
「あなたの意見も一理あるわ。考えてみたら私のサーヴァントにしてから何年も経つけど、あんな格好してるの初めて見たもの」
「何年…?聖杯戦争のサーヴァントじゃないのか?」
「ああ、アーチャーは遠坂のサーヴァントなの。本当は別に召喚しないといけないんだろうけど、私はアーチャーで行く事にしたから」
父さんが聖杯戦争に向かい、帰らなかったあの時。
あの時から彼は私のサーヴァントになった。
ちゃんとサーヴァントにしたのは最近だけど、付き合いで言うならゆうに十年。
見慣れない格好をされれば戸惑う。
「なるほど。そりゃ、何が出てくるか分からない召喚するよりいいな」
ランサーは慣れてる奴の方がいいと頷く。
本当はアーチャーが誰なのか知らないんだけど、これはこの際置いておく。
「俺も嬢ちゃんみたいなマスターが良かったな」
「そんなに不満なの?」
「ああ、不満だよ。こんな風に話すなんて拷問みたいなもんだしな」
そこまで恵まれないのもいかがなものだろうか。
他愛ない会話を交わしてお茶を飲む事すらない主従。
ちょっとうちとは違いすぎるから考えられないけど。
お茶会は何時の間にやらランサーの愚痴を聞く場にと変わって行った…。
面白くないのはアーチャーだろうか?



next 衛宮邸 12時
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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
教会 9時

荘厳な礼拝堂に佇む、存在感ありすぎな後姿。
もう少し自愛に満ちた表情が出来れば、礼拝者も増えるのだろうが…
その神父にはそんな笑顔は似合わず、浮かべようものなら礼拝者が逃げる。
どうあっても礼拝者は増えないという仕組みが成り立っている協会。
神父はそれはそれでいいようだった。
本来休日は礼拝をする日だ。
だが、敬虔な信者がいないのか礼拝堂は静まり返っている。
その礼拝堂に、似つかわしくない格好の青年がやってきた。
「コトミネ、雑種はどうした?」
「ランサーか?ランサーならここにはいないだろうな」
「偵察に出した…のではないようだな」
「おおかた、逃げ出したんだろう」
教会の雰囲気も住人も苦手としている事を知っている二人は、それ以上追求はしなかった。
ギルガメッシュは雑種には付き合っていられんということであり、コトミネはそもそもランサーの行動に興味が無い。
やるべきことを終えた彼を特に縛ろうとしないのは、今回の聖杯戦争がおかしなことになり始めていて、静観しているしか無いためだ。
動くのはアインツベルンと彼らが決着を付けてから。
柳洞寺は放っておいても害は無いが、後で対処はする。
つまり、教会組は現在暇なのであった。
「後で出る。コトミネ、何も無いな?」
「ないな。またセイバーのところか?」
にやり。
邪悪そのものな笑みを浮かべるギルガメッシュを見て、神父は軽く笑って受け流す。
教会は、今日も晴天の中でどんよりと曇っていた。

next 遠坂邸 10時
遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 朝8時
朝食とお茶がすんだ後。
私は調子を乱されたまま、魔術の本などを読んでいた。
正しく言うならば読んではいない。
開いていただけだ。
何を思ったのか私服姿(と呼んでいいのかは微妙)で家事をするアーチャー。
その姿を何気に眼で追ってしまって、一行も読めはしなかった。
どうやって用意したのかは分かった。
けど、家の中ならいつもの服でいいんじゃないかと思うのだ。
それなのにアーチャーがそのままな理由。
それは間違いなく私の反応を楽しんでいるからに他ならない。
そんなに楽しいか、私の動揺。
ああ、悔しいなぁ。
一度でいいから、アーチャーを動揺させてやりたいのに。
どうしたら動揺してくれるだろうか?
アーチャーだって気づいている、私の手にある魔術書が一ページも動いていない事に。
そろそろ行動に移らないと、からかわれる。
どうしよう。
アーチャーが洗濯を終えて私の元へと向かって動き始めたとき。
私がそれに気づいてどうしようかと頭をフル回転させたとき。
それはやってきた。
普通の家とは違う、古典的なチャイムが鳴る。
来客にほっとする私。
アーチャーは向きを変え、玄関へ向かう。
少し待つと、足音が消えて扉が開く音がした。
開いたけど、すぐ閉まった。
勧誘かなんかだったのだろうか?
それにしては閉める反応が神がかっていたような気がするんだけど。
聞いていると、また開く音。
そして。
制止するアーチャーの声を無視して、彼は私の元まで小走りにやってきた。
「え…?ランサー?!」
何でいるの?!
っていうか、どうしてここに来るの?!
「よ、嬢ちゃん。暇だから遊びに来たぜ」
その辺のチンピラ風な格好のランサーは、軽くて手をあげて挨拶をすると、私の隣の椅子に腰掛けた。
「何しに来たのよ、暇って…」
「だから、嬢ちゃんと遊ぼうと思ってな。出かけねえか?」
「なんであなたと出かけないといけないのよ?」
隣の椅子から身を乗り出して迫ってくるランサー。
さすがに避けようかなと思ったところでアーチャーの手が伸びてきた。
「それ以上凛に近づくな」
私服でも殺気は戦闘時のそれ。
さすが虫を付けない保護者。
完全に払ってくれるらしい。
「アーチャー、俺は嬢ちゃんと話してるんだよ」
「凛は貴様と遊ぶ気は無い。それが分からないようだから教えてやっているまでだ」
アーチャーの言い方は冷たい。
よほど怒っているようである。
どれだけ人をからかいたかったんだか。
「アンタ、焼き餅か?」
怒り心頭なアーチャーをじろじろと観察して、ランサーが一言。
私も、当のアーチャーも呆気に取られて言葉が出ない。
「アーチャーが焼き餅なんて…」
私はありえない、と思った。
焼き餅って言ったら、好意がないと成り立たない。
ランサーにはそう見えるのだろうか?
「違うのか?横から手を出されたら怒る。立派な焼き餅だと思うが」
いや、その単純思考もどうかと思うんだけど。
「アーチャーは私がマスターだから怒ってるのよ。別のサーヴァントが来るなんて警戒しても歓迎はしないわ」
普通はそう考える。
まあ、サーヴァントの焼き餅はあるのかもしれないけど。
「そんなもんか?俺はないけどな」
「マスター、女の人なの?」
「野郎だ。焼き餅なんざ焼きたかねえよ」
ごもっとも。
それにしても、ランサーは何で家に遊びに来たんだろうか?
別に家じゃなくてもよかった気がするんだけど。



next 教会 9時
遠坂さんちの家庭の事情 番外編
教会・ランサー 朝6時半
ランサーは一人で朝食を摂っていた。
理由は二つ。
まず、あの二人と一緒に食べると美味しく感じなくなる事。
二つ、あの二人と顔を合わせて食べたくない事。
要するに、ランサーは二人が苦手だった。
裏切り行為をなんとも思わない二人。
何故かマーボしか食べないエセ神父と英雄王だというのに子供になったり大人になったりして性格が変わるサーヴァント。
そんな二人を相手にして疲れて味が分からなくなるより、一人で悠々と食べた方が美味しいと判断したからだ。
ギルガメッシュに限っては、大人モードなら起きていない。
コトミネは起きているのだろうが、礼拝堂で祈りをささげるエセ神父を眺める趣味は無いので声はかけない。
用があれば向こうから呼ぶだろう。
それまではどこにいても自分の勝手だ。
そんなわけでランサーは自分で食事を作り、済ませた。
このあとは特にこれといってやる事はない。
命令通りに全てのサーヴァントとは出会ったはずだ。
それならば後は会った順番に死闘をするのみ。
と、そこで彼の脳裏には有る少女の姿が過った。
会いに行って茶を飲むのも悪くない。
口説くにはちと年が足らないが、申し分ない相手だ。
そうとなれば善は急げ。
ランサーは食事の片づけをすると、心なしか浮かれ気味に教会を後にした。
目指すは洋館街・遠坂邸。
口説く相手は勿論遠坂凛、その人である。
彼は知らない。
その頃、当の本人はアーチャーの私服姿で調子を乱している事を。
行ってみた所で玄関で追い返されるかもしれないという考えは無いのである。
彼の脳内にはアーチャーの存在がいることは綺麗さっぱりと忘れ去られていた。
それが、悲劇の始まりとも知らずに…



next 遠坂邸  朝8時
遠坂さんちの家庭の事情 番外編
衛宮邸 朝6時
衛宮さんちの朝は早い。
家主である士郎が早いのもあるが、朝食を一緒に摂る二人が早く学校を出るからである。
現在、衛宮邸に宿泊中の間桐桜と自称保護者な藤村大河(学園教諭)は共に朝練のある弓道部の部員と顧問で、学園まで歩く時間がかかる分二人は衛宮邸を早く出るのである。
衛宮士郎の朝は早い。
基本5時。
寝坊して5時半くらい。
同じ年頃の一般男子ならばまず布団から出る事を拒否する時間である。
元々一人暮らしの身。
自分の事は自分でやる彼は、周りの時間に合わせるわけでもなくその時間に起床し、朝食の準備をする。
その辺りが一家に一台と言われたり、嫁に欲しい主人公NO.1と言われるゆえんである。
それはともかく。
朝6時といえば衛宮邸では朝食が始まる時間である。
休日の今日に限っては一人欠けた状態での朝食。
が。
セイバーがいるために朝から量を作らなければならないという事情から、朝はいつも通り…。
目指せ家政夫。
「後は盛り付けて終わりだな」
朝から焼き魚におひたし、煮物、卵焼きと正しい日本の朝御飯を作る二人。
「そうですね。では盛り付けちゃいますから、運んでもらってもいいですか?」
「おう、頼んだ」
まるで長年連れ添った夫婦のような呼吸で朝食を作る二人。
その事実に気づいていないのは当の本人だけである。
食卓にはすでにセイバーが待ち構え、ライダーは箸の握り方を熱心に練習している。
これから賑やかで何故か料理が減るのがやたらと早い食事が始まる…



next ランサー(教会) 6時半
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