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趣味用ブログ。 ネタだったり、近況報告だったり。 分家には書かれない事、書いてます。
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プロフィール
HN:
藤宮紫苑(ふじみやしおん)
年齢:
43
性別:
女性
誕生日:
1980/10/13
職業:
主婦兼パート
趣味:
今はコレでしょうかね…(笑)
自己紹介:
今現在のジャンルはFateシリーズです。
諏訪部さんに嵌まっていますが、最近平川さんもハマリ気味。
演技が上手い人が好きみたいです。
男女問わず。
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遠坂さんちの家庭の事情 番外編
遠坂邸 14時


昼食が過ぎた昼下がり。
自室ではなく、居間でソファに転がり魔術書を広げる凛。
アーチャーは洗濯物を取り込んで畳むという動作を繰り返している。
「ねえ、アーチャー」
昼食後にランサーは美味かった、ごっそさんと言い残してあっさりと帰っていった。
満足したんだろう。
凛はそう思っていた。
「む?喉でも渇いたのか?」
「そうじゃなくて」
あからさまに声をかけられる意図が分からないという顔をするアーチャーに、凛はきちんとソファに座りなおして首を振った。
「喉は渇いてないわ。さっき紅茶飲んだもの」
ミニスカートで寝転がっていた事を気にしたのか、スカートの端を直しながらアーチャーの問いに答える。
「前から…気になっていたんだけど。アーチャー、私の事、どう思ってる?」
洗濯物を畳む手を止めて、アーチャーは表情をどうしたらいいのか分からないと凍りつく。
幾度と無く気持ちは吐露してきたつもりだった。
なのに突きつけられたその質問。
アーチャーはこっちが聞きたいと心の底で思っていた。
「唐突にどうしたのかね?質問の意図が見えないのだが」
表面上はきっちりと作り上げて、平静を装う。
「いいから。何でもいいわ、言ってみて。ほら、魔術師としてはどうだとか、あるでしょ?」
凛は質問の幅の広さに気づき、ヒントを加えた。
要は、印象を聞きたいらしい…アーチャーは思った。
それなら答えるのは難しくない。
「ふむ。普段の君については優秀な魔術師であり、優秀な学生だと思っているよ。時々とんでもなく恐ろしいドジを踏むが」
「それから?」
それから?
凛の言葉に、言葉がつまるアーチャー。
これ以上好意見を続けると、また吐露しかねない。
それならば。
「保護者代行としてはまだまだ見ていないと気になるといったところかな」
「あー、やっぱり」
「む?不満かね?」
凛は想像通りだと頷くと、アーチャーの言葉にある一点を指差した。
「だって。保護者じゃなきゃうら若き乙女の下着を平常心で畳めないもの」
指したものは、洗濯したての凛の下着。
この家には凛の衣服以外には無い。
アーチャーが現在の服を洗濯すればそうではないのであろうが、それは好ましい状態ではない。
一緒に干そうものなら、同居してる人間がいるとご近所で噂されてしまうからだ。
そんなわけで洗濯物は凛のものだけ。
「…それを確認したかった質問だったのか…」
アーチャーは相変わらずの凛の思考に呆れつつも、過去の鍛錬が実を結んでいる事を複雑に思った。
どの道を通った衛宮士郎であっても、避けて通れなかったもの。
それは姉として接してくれる保護者の洗濯もするという試練。
初めこそ動揺したものの、なれるとそれはただの作業になっていた。
だからなのか。
心頭滅却してこれは藤ねえのだと暗示をかければ大丈夫。
そこまで考えて、凛が残念そうにしている事に気づいた。
もたげる、からかいたいという感情。
「凛」
「何よ?」
「私が君の下着に毎回どぎまぎしているとでも思ったのかね?」
「そうじゃないけど」
暗示がなければしてるだろうとも。
まあ、していても表には出さないが。
アーチャーは心の中で独り言を繰り返しながら、凛をどうからかおうかと思案する。
「あ、アーチャー、そろそろ15時よ?!お茶の用意する時間じゃない?」
不穏な空気を感じ取ったのか、凛は話題を逸らそうと紅茶を要求する。
「ふむ。では用意をするとしようか」
立ち上がり、キッチンに向かうアーチャー。
ほっとした凛に降って来た言葉は、とんでもないものだった。
「話は後でまた追求する事にしよう。なに、時間はあるのだからな」

next 衛宮邸 15時
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